漏れ試験は,各種容器や配管などの漏れを検出する試験方法で,欠陥検知という意味
では,もっとも直接的かつ簡便な検査手法であるといえます。対象とする物質,漏れ量,
試験体条件などにより各種の漏れ試験方法があります。代表的なものとして,気体の漏
れを発生する泡で検知する発泡漏れ試験,漏れを検知剤の発色で検出する方法でLNG
貯蔵タンクなどの検査に用いられるアンモニア漏れ試験,極めて小さな漏れの検出に優
れ、航空宇宙関連や半導体製造分野等でも用いられているヘリウム漏れ試験などがあり
ます。
最近では,極めて高い気密性容器,IC パッケージ等の電子部品検査などへの用途拡
大もあって,検知性の高感度化,信頼性の向上をめざし,様々な研究開発が行われてい
ます。
現在,ISO9712:2005 に漏れ試験が追加されたことを受けて,国内においても漏れ
試験の信頼性確保の観点から技量認定制度の構築が,強く要望されるようになっていま
す。また,確立した標準的な手法の普及を図るために,テキスト「漏れ試験の基礎と応
用」の作成作業が進められています。これらのことをバックアップする意味からも,こ
れまで表面探傷分科会の一分野であった漏れ試験は,今回の学術組織改編において新た
な一部門として,ある程度独自な活動も展開できる道を選択したところです。
表面探傷分科会を起源とする3 つの部門が合同で開催する年2 回の討論会,年1 回の
シンポジウムなどにおいても,漏れ試験部門として,活発な情報交換・研究交流を行っ
ていきたいと考えています。
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