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機関誌

2007年度バックナンバー連載歴史1月

2007年1月1日更新

連載 非破壊検査の歴史

我が国における超音波探傷の歴史 [?]   松山 宏 名誉会員(前湘菱電子(株)・元三菱電機(株))

The Histoy of Ultrasonic Testing in Japan [?]
Hiroshi MATSUYAMA Honorary Member (Formerly Shoryo Electronics Co./Mitsubishi Electric Co.)

キーワード 非破壊検査, 超音波探傷検査,パルス法,反射法,超音波探傷装置,超音波厚さ計

 

4. 我が国における超音波探傷技術の発展期 
  その2(1962〜1971年) (続き)
 1971年,超音波探傷器の展示会が開催された。製品を展示した会社は,次のとおりであった。
国内メーカ;帝通電子,東京計器,島津製作所,日本無線、海上電機,三菱電機など輸入業者 ;リッカーマン(クラウト・クレーマー),ウエスターン・トレーディング(レーフェルト)など
 この時期が,わが国でもっとも探傷器メーカや輸入業者が多かった時期のようである。
 第2分科会における超音波探傷器関連の報告としては,下記のようなものがあった。
(1)『クラウト・クレーマー社のUSK-5Mにおける水晶と  セラミックス探触子について』と題し,当時,水晶振  動子を用いた探触子とセラミックス振動子を用いた探  触子の混用によって生ずる問題点に関する検討結果が  報告された。
(2)『超音波探傷器内蔵減衰器の簡易点検方法』と題する点  検方法が201小委員会から提案された。
(3)『超音波探傷器のリジェクションの定義と測定方法』と  題する検討結果が201小委員会から報告された。
 また,探触子関連の報告としては,下記のようなものがあった。
(1)『斜角探触子のDGSダイアグラムについて』と題する  ドイツ,クラウト・クレーマーの提案に関する理論的  研究成果が報告された。
(2)『斜角探触子の音場と周波数スペクトルの測定結果』
  と題する測定結果が報告された。
 更に,もう一つの大きな出来事があった。それは,帝通電子がパルス反射法を用いた超音波厚さ計を開発・販売したことである。
 この超音波厚さ計の測定値の表示には,図1に示したようにアナログメータを使用していた。この厚さ計では,原理的に測定値に測定者の個人的誤差混入の恐 れがなく,そのカタログによれば,探触子として二振動子探触子を用い,質量は3 kgfで,電源は2次電池を使用していた。また,その測定精度は試験体の厚さに依存するものの,±0.15〜±0.6 mmであった。
 また,この厚さ計に使用された二振動子探触子は,送信パルスを殆ど受信しないメリットがあるために,薄い材料の厚さも容易に測定できたが二個の探触子に よって合成される超音波ビーム範囲が試験体の厚さ方向に存在するために,試験体の厚さによっては,その測定に適した探触子を選択する必要はあった。

 

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