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機関誌

2007年度バックナンバー連載歴史2月

2007年4月1日更新

連載 非破壊検査の歴史

我が国における超音波探傷の歴史 [VIII]

 松山  宏 名誉会員(前湘菱電子(株)・元三菱電機(株))

 

The Histoy of Ultrasonic Testing in Japan[VII]
Hiroshi MATSUYAMA Honorary Member
(Formerly Shoryo Electronics Co./Mitsubishi Electric Co.)

Yoshio KASAI Emeritus Professor of Nihon University

キーワード 非破壊検査, 超音波探傷検査,パルス法,反射法,超音波探傷装置,超音波厚さ計



6. 我が国における超音波探傷技術の成熟期 
  その2(続き)−汎用探傷器,デジタル化へ  進む(?)−

 1983年11月に開催された非破壊検査機器の展示会には,帝通電子が表示器に単色の液晶表示器を用いたポータブル探 傷器を参考出品した。当時の液晶表示器の応答速度が遅かったために,製品として市場に出ることはなかったが,探傷図形の表示にブラウン管の代わりに液晶を 用いることによって,探傷器の体積・質量とも1/2以下になることを示唆した興味深い製品であった。
 また,この年,三菱電機は,木柱腐朽診断器FD -55を開発した。この装置は,木柱の中に生じた腐朽(空洞)を検出し,そのおおよその断面積を測定する装置であった。この装置では,探触子を木柱の軸と 直角方向に,かつ相対するように配置し,相対する探触子間の超音波パルス伝搬時間の相違を利用して木柱の断における腐朽部分を表示できた。
 一種の超音波CT装置であり,当時の電々公社に納入した。後に試験の対象となる木柱がコンクリート柱に取り替えられたために使用されることはなくなったが,実際に現場で用いられた超音波CT装置として記憶してもよい製品かも知れない。

 

 

 

 

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