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機関誌

2007年度バックナンバー解説2月

2007年2月1日更新

解説

論文審査を終えて  辻  正哲 東京理科大学

 

Principle of Review
Masanori TSUJI Tokyo University of Science

キーワード 非破壊検査,非破壊試験,コンクリート,建造物,維持管理,補修補強



1. はじめに
 前回すなわち第1回シンポジウムから3年がたち,その間コンクリート構造物に対しての非破壊検査の適用例も急増しました。これには,成熟期を迎えた我国では,スク
ラップ&ビルドの時代が過ぎ,コンクリート構造物の長
寿命化が必要不可欠となってきたことが大きく関係しています。そのため,他の関連学・協会ではコンクリート構造物の維持管理や補修補強などに関するシンポジウムが開催されています。これらのシンポジウムでは,非破壊検査は
コンクリート構造物の診断を行うための資料を得るための一手段として取り込まれているのが現状です。あたかも,施工の参考のため,あるいは維持管理や補修 補強の必然性を立証するために行う技術のように取り扱われています。こうした観点からのシンポジウムも必要です。しかし,非破壊検査技術が進歩してきた現 在,どのような非破壊検査方法があり,それらの非破壊検査結果から現在どのような診断が可能となっているのか,実際のコンクリート構造物に適用した事例な ど,非破壊検査からみた最先端の知見を総合的に取りまとめたシンポジウムも重要になってきました。医療分野に例えれば,放射線技術や検査技術科学(非
破壊検査),薬学(補修・補強),看護学いずれを核としたシンポジウムにするかといったように。そのため,3年前の「コンクリート構造物の非破壊検査への 期待」といった段階から,非破壊検査機器および技術の新たなる進歩,試験結果の適用範囲や解析方法の明確化,実施例などの充実によって今回は「コンクリー ト構造物への非破壊検査の展開」となり,論文募集も,図1の要項に示したように,非破壊検査方法(モニタリングを含む),実構造物への適用事例,今後の展 開にあたっての規格・規準・基準類を中心に行うこととなりました。

 

 

 

 

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