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機関誌

2007年度バックナンバー解説4月

2007年4月1日更新

解説 医用診断技術の動向 その2

血管撮影技術の動向

 佐藤 直高 東芝メディカルシステムズ(株)X線開発部

 

Current Situation of the Digital Angiography System
Naotaka SATO Toshiba Medical Systems Corporation

キーワード X線診断装置,血管撮影,IVR,血管内治療,デジタル画像処理



1. はじめに
 X線診断装置は医用画像診断装置の中でも,最も長い歴史を持ち,現在でも医用画像診断の主要な役割を担っている。被写体を透過したX線を画像化するという撮影原理は変わることはないが,様々な技術革新を経て,多様な進化を遂げてきた。
 近年,食生活の欧米化,高度情報化社会などでのストレスの増加,急速な高齢化の進展などの影響により,心臓や血管などの循環器系の疾患が増加している。 血管撮影装置は,この循環器系の診断,治療に使用されるX線診断装置であり,一般的には循環器用X線診断装置とも呼ばれている。図1は心臓血管撮影用X線 診断装置の外観である。
 循環器用X線診断装置では,デジタル画像処理技術,フラットパネルディテクタ(Flat panel detector,以下FPDと記す)1)などに代表される様々な技術革新の結果,画質が向上すると共に,臨床ニーズに応じた色々な種類の画像を提供でき るようになった。また,臨床サイドでも,血管内治療(interventional radiology,以下IVRと記す)の手技や,IVRに使用されるデバイスの進展などにより,今まで外科的手術しか適用できなかった症例にも,浸襲の 少ないIVRが適用できるようになってきている。
 本稿では,循環器用X線診断装置の現状と血管撮影画像におけるデジタル画像処理技術の動向,および病院内で行われているIVR手技などについて解説する。

 

 

 

 

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