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機関誌

2007年度バックナンバー解説3月

2007年3月1日更新

解説

「ライフラインをささえる技術(その3:鉄道編)」 鋼鉄道橋におけるモニタリングの試み
  小林 裕介 (財)鉄道総合技術研究所 構造物技術研究部 鋼・複合構造 研究員

 

Attempt at Monitoring of Steel Railway Bridges
Yusuke KOBAYASHI Researcher, Steel & Hybrid Structures, Structures Technology Division, Railway Technical Research Institute

キーワード 鋼鉄道橋,モニタリング,疲労,光ファイバセンサ,導電性表面材料



1. はじめに
 鋼橋における主要な変状には疲労と腐食があり,鋼橋を100年のオーダーで供用し続けるためには,これらの変状に適切に対処していく必要がある。鋼鉄道 橋では,「鉄道構造物等維持管理標準・同解説(構造物編 鋼・合成構造物)」1)に定められている全般検査によって,疲労や腐食といった変状の発生の捕 捉,もしくは進行の程度を把握している。全般検査において変状が認められた場合は,さらに個別検査を実施し,変状の程度の詳細な把握,変状原因の究明,補 修・補強方法の検討などを行う。ここでいう全般検査とは,通常全般検査と特別全般検査に区分され,通常全般検査は橋側歩道や桁下からの目視によって行う検 査であり,特別全般検査は足場等を利用して近接した状態で目視を行う検査である。2年に一度全般検査を実施することが義務付けられているが,一般的には通 常全般検査を行っており,塗装の塗替え時にその足場を利用して特別全般検査を行っている。例えば,東海道新幹線では特別全般検査を8年ごとに実施してい る。
 腐食に対する検査では,発生部位を捕捉し,腐食面積および板厚減耗量によって腐食の状態を把握している。発生部位の検知や腐食面積の把握については,目 視によって十分捉えることが可能であり,板厚減耗量についてはキャリパーや超音波板厚計等の簡易な計測器により捉えることができる。また,腐食の進行の程 度は,2年に一度の全般検査で得られた結果の推移から判断することで,十分に効果的な維持管理を行うことが可能である。
 一方,疲労については,発生した疲労き裂を全般検査によって発見している。疲労き裂が微細であるため見逃す可能性もあるが,一度の見落としでは列車の走行を阻害するような重大な状態には進行しないように検査周期を定めている。

 

 

 

 

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