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機関誌

2007年度バックナンバー1月医用診断技術の動向その1

2007年1月1日更新

医用診断技術の動向 その1

MRI技術の動向−MRIの技術進歩とその動向、静音化と撮像の高速化   杉本  博 東芝メディカルシステムズ(株)

 

Trends in Magnetic Resonance Imaging− Technical Trends in MRI,
Noise Reduction and Fast Imaging
Hiroshi SUGIMOTO Toshiba Medical Systems Corporation.

キーワード 核磁気共鳴,MRI,静音技術,パラレルイメージング

1. まえがき
 MRI(Magnet Resonance Imaging:磁気共鳴イメージング)は,静磁場中に置かれた主に水素原子核と高周波磁場との共鳴現象を利用して,がんなどの人体組織の微妙な変化を鋭 敏に画像化する方法で,その装置は国内で4000台以上,世界では6000台以上が稼動しており,もはや特殊な画像診断機器ではなく,日常の診療において 欠かせないツールとなっている。
 MRI検査を受ける患者さんの数も多くなっており,診断目的だけからシステムを設計するのでは不十分で,検査を受ける患者さんがより快適に検査が受けら れるようにシステムを設計することも大切になっている。MRI検査においての患者さんからの多くの苦情は,磁石の開口部が狭く,その筒が長く,圧迫感がある。検査時の騒音が大きくてうるさい。検査時間が長く,その間じっとしていなければならない。ということであった。
 磁石の開口部が狭く,磁石が長いのは,撮像領域での静磁場の均一性を高めるためと比較的安価に作るという工学的な制約から来ているが,閉所恐怖症の患者 さんや体格のよい患者さんにとっては,かなりきつい検査となっていた。磁石長については,超電導磁石を形成する超電導磁石のコイル構成を見直すことで,従 来の1.6 m長から1.4 m長に短縮することができた。十分に短いとは言えないが,例えば腹部検査の際に従来は磁石内に入ってしまった頭部が磁石外に出るというメリットがある。図 1にそのMR装置の外観を示す。また,開口径は,多くのMR装置の中心開口径が600 mmであるのに対して,700 mmに広くした機種も販売され始めている。また,中心部の径は従来と同じだが,端面に向かってラッパ状に開口径を広くして心理的に広い空間を演出する改善 も図られている。

 

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