logo

<<1993>>

  • 1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
  •  
  • 予定はありません。

機関誌

2007年度バックナンバー解説3月

2007年3月1日更新

解説

「ライフラインをささえる技術(その3:鉄道編)」 衝撃振動試験による鉄道橋梁下部構造物の健全度診断  羽矢  洋 (財)鉄道総合技術研究所

 

Integrity Evaluation Method for Railway Bridge Substructures
with Impact Vibration TestScience, The University of Tokyo

Hiroshi HAYA Railway Technical Research Institute

キーワード 非破壊試験,判定基準,健全度,固有振動数,固有値解析,健全度橋梁下部構造物,支持力

1. はじめに
 社会資本として中核を成す土木・建築構造物に共通の
問題として,コンクリートの劣化,鋼材の腐食・疲労な
ど様々な変状の発生がクローズアップされている。鉄道構造物に目を向けると,それらは既存の社会資本の中でも先行し整備されたため,明治初期から大正時代 にかけて建設されたものも依然多く残存し,現在も輸送業務に供されている。こうした古い構造物は,これまでに地震や豪雨など厳しい環境下に長年曝されてき ており,そのため,日々の維持管理業務を遂行していく上での問題点を多く抱えているのが実状と言える。
 しかし,このような老朽化構造物を再構築するとなると多額の事業費が必要となるが,わが国の社会が,高齢化・少子化に向けて加速している現状を踏まえると,今後,社会資本整備のための投資力は著しく低下することが予想される。
 このように,構造物の管理者が,より一層厳しい状況に立たされることになるという現実を踏まえると,既設構造物が保有する性能を正確に捉え,補修あるい は補強の要否,また,補修等が必要と判定される構造物にあってはいつの時点で,どの程度の補修・補強を行えばよいのかを正確
に判断することが重要となる。また,それゆえ構造物のメンテナンスおよび健全度診断の重要性が,今後,一層増すこととなる。
 こうした背景を踏まえ,ここでは鉄道において既に一般的な非破壊検査法として活用されている橋梁下部構造物の健全度診断法である「衝撃振動試験法」について紹介することとする。

 

 

 

to top