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機関誌

2007年度バックナンバー1月医用診断技術の動向その1

2007年1月1日更新

医用診断技術の動向 その1

X線CT:マルチスライスCTの進歩

 

Progress in the Multislice CT Scanner

尾嵜 真浩 東芝メディカルシステムズ(株)
Masahiro OZAKI TOSHIBA Medical Systems Corporation

キーワード コンピュータ断層撮影(CT),時間分解能,画像再構成,被曝低減,医用機器

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1. はじめに
 本誌52巻6号において当時最新であった16列型マルチスライスCTをサンプルとし,医用X線CT装置の進歩とそれを実現するための要素技術について解 説した1) 。その後,CT装置は,同時収集が可能な列数の増加を中心に性能競争が行われ,16列,32列,40列,64列とその性能を向上してきた。一方,2004 年のLancet誌に統計的な解析から診断被曝が発ガン原因になり得ること,欧米諸国に比べ日本の比率が3.2%と飛び抜けて高いことが示された2)。本 稿では,その後約3年間の進歩と診断被曝を低減させる要素技術に関して,現時点での最新型CTである64列型CT装置をサンプル(図1)として解説を行 う。

2. 64列型マルチスライスCTの主な特長
 技術進歩を革新的な進歩と漸進的な進歩に分類するとすれば,64列型CTは16列型CTからの漸進的な進歩に分類される。各要素技術の延長上に64列型 CTは実現されている。この3年間の主な進歩としては,多列化による撮影時間の短縮,時間分解能の向上,臨床用解析ソフトウェアの拡充,被曝低減などであ るが,本稿では,時間分解能の向上と被曝低減技術について解説を行う。

 

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