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機関誌

2007年度バックナンバー解説4月

2007年4月1日更新

解説 医用診断技術の動向 その2

乳ガン早期診断を目指す新エックス線画像開

 安藤 正海 東京理科大学・総合研究機構・DDS研究センター/マクシメンコ アントン 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所
 湯浅 哲也 山形大学・工学部・応用生命システム工学科/杉山  弘 高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所
 市原  周  遠藤登喜子 国立病院機構・名古屋医療センター

 

Development of Novel X-Ray Imaging for Early Diagnosis of Breast Cancer
Masami ANDO Tokyo University of Science, Anton MAKSIMENKO KEK,
Tetsuya YUASA Yamagata University, Hiroshi SUGIYAMA KEK,
Shu ICHIHARA and Tokiko ENDO National Hospital Organization Nagoya Medical Center

キーワード 乳ガン,早期診断,屈折アルゴリズム,エックス線暗視野法,3次元画像,放射光



1. まえがき
 25人に1人の日本女性が生涯のうちに乳ガンになるとされる。しかもその率の増加が止まらず,遅からず欧米並みの8人に1人に達すると予測されている。 年あたり死亡数は10000人に達している。これに対処するために厚生行政は乳ガンの発見率を高める取り組みを始めた。女性が行う自己触診によってしこり が見つかり,エックス線マンモグラフィによって乳ガンと診断される場合と,診療機関で行われる2年に1回と推奨されているマンモグラフィ受診によって乳ガ ンが発見されるかのどちらかである。日本では40歳代に乳ガンになる率が高く,60歳代にピークを迎えるとされる欧米型と大きく異なることが特徴的であ る。
 日本型の特徴は筋状の乳腺が数多く写っているdense breastと呼ぶ状態で乳ガンを発見しなければならない難しさがある。つまりdense breastはエックス線吸収係数が乳ガンの吸収係数に近く白黒コントラストがつきにくい。いわば一面氷の海に遊ぶホッキョクグマを探すようなものであろ うか。これに比して欧米型乳ガンは対象者年齢が50歳代以上であるために乳腺よりは脂肪層が多く,乳ガンとのエックス線吸収係数の差が比較的大きく日本型 に比して乳ガンを見付けやすいとされる。

 

 

 

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