奈 昨年は新潟中越大震災(11月29日)とスマトラ沖の巨大地震に見舞われ,スマトラ地震では大津波(12月26日)により死者30余万人に及ぶ未曾有 の被害が発生し,自然災害の桁違いのエネルギと破壊力の凄まじさを改めて思い知らされました。本年4月に兵庫県尼崎市で107名の死者と400名を超える 負傷者を出すJR宝塚線脱線事故(4月25日)が発生しました。これは人間が造った乗り物による事故ですが,その規模の大きさに恐怖を覚えました。昨年の 新潟中越大震災では時速210キロで走行中の新幹線が脱線したにも拘わらず全く死傷者が出ず,日本の新幹線に新たな安全神話が創られたばかりの時に起こっ た今回の鉄道事故は残念であり,事故原因の解明が急がれます。
自然災害は避けがたくても,社会基盤構造物による災害は絶対に避けなければならないのは言をまちません。しかし最近の構造物の大規模化・複雑化・高速 化・効率化の行き過ぎが目立ち,人間の管理能力を超えたための事故が多いように思われます。システムが複雑化し規模が大きくなりすぎると,ちょっとした不 具合から発生するトラブルでも連鎖反応的に巨大化し得るので,安全のためには規模の縮小化とシステムの簡素化が望まれます。
21世紀は保全の世紀と言われており,構造物を長期間保全しながら健全性を保って供用することが求められております。当協会では非破壊検査を通じて社会 の安全・安心の向上に大きく貢献しているところでありますが,これからも検査技術をますます向上させると共に,社会の信頼が得られるように会員一同力を合 わせて頑張りましょう。
今年度の事業目標として,非破壊試験に関する調査と研究を行う学術活動を母体として,非破壊試験技術者の教育活動と認証活動に積極的に取り組んでいきま す。会員サービスの向上と会勢拡張のために,全国支部化の構想の下,地域に密着したサービスの提供に努めるとともに,会員個人の資格で参加できる学術・技 術に関する情報交換の場とするため制度改革を図ります。
学術活動では,学術講演大会,分科会,特別研究委員会及び研究会における活動を通じて,非破壊試験技術に関する調査と研究を行います。春秋の講演大会は テーマの設定とオーガナイズドセッションの構成によって,また分科会と特別研究委員会では公開シンポジウムを開催することによって,新たな視点を有する分 野からの新規参加者を開拓し,研究活動の拡大と活性化を図ります。更に,従来の成熟した要素技術中心の活動の枠を広げ,社会のニーズに応えられるよう技術 横断的な研究組織の構築に努めます。
機関誌の発行においては,最先端の非破壊試験技術,関連する新技術の解説,連載講座など非破壊検査の現場にも有益な記事を提供するよう努めます。
非破壊試験技術者の認証事業では,社会の安全を担う技術者の技量の向上に貢献するように努めます。JIS Z 2305 : 2001(非破壊試験−技術者の資格及び認証)に基づく非破壊試験技術者の認証及びNDIS 0602 : 2003(非破壊検査総合管理技術者の認証)に基づく非破壊検査総合管理技術者の認証を行い,これらの資格を広く産業界へ普及させていきます。また,関係 機関との連携の下,国内のPD(Performance Demonstration)認証制度を発足させます。本協会はPD認証機関としてNDIS 0603 : 2005(超音波探傷試験システムの性能実証における技術者の資格及び認証)に基づく技術者の認証を行うとともに,本制度の推進を図ります。国際的には, 海外の認証制度の調査と情報収集を行い,諸外国との相互承認に向けた活動を行います。
Review on Radiographic Testing
Yukihiro TERADA Chairman of Research & Technical Committee on Radiographic Testing in 2004,Hitachi Zosen Corporation
キーワード 放射線透過試験,X線,ディジタルラジオグラフィ,中性子ラジオグラフィ,CT,X線顕微鏡,X線フィルム
1. はじめに
放射線分科会の活動は,春秋の講演大会,2回の分科会及びシンポジウムである。分科会資料については非公開の論文であることから,各発表者が準備した資 料の概要を全文掲載した。また,春秋の講演会及びシンポジウム発表については,技術動向と展望の中で取り上げた。
Review on Ultrasonic Testing
Koichiro KAWASHIMA Chairman of Research & Technical Committee on Ultrasonic Testing in 2004
Ultrasonic Materials Diagnosis Lab.
キーワード 超音波,欠陥評価,き裂のサイジング,PD,ガイド波,非線形超音波
1. はじめに
超音波探傷に関する2004年の国内でのトピックは,発電用原子力設備の維持規格適用に伴い,日本非破壊検査協会が認証母体となって,自然き裂の検出と き裂サイジングの資格認定(パーホーマンスデモンストレーション)の実施1)に向けた準備が進められていることであろう。当面PDの適用は発電用原子力設 備に限られるが,石油学会でも類似機器に対する維持規格の制定が進められているので,いずれ原子力発電所以外の分野に適用されることになろう。
国際的には第16回WCNDTが2004年8月にモントリーオールで開催され,航空機,自動車,電力,土木などの産業分野別に構成されたセッションで合計520編の論文2)(内超音波関連が400編)が発表された。その内容はThe e-journal of nondestructive testing(www.ndt.net )で誰でも見ることができる。本協会の機関誌「非破壊検査」掲載論文も,J-Stage(www.jstage.jst. go.jp/browse)から自由に閲覧・ダウンロードできるようになり,今後学協会の開催する会議の論文集ならびに定期刊行物の新しい公開手段としてWEB利用が定着しつつある。
2003〜2004年に外国で発行された超音波非破壊評価関連の図書3),4)の中に非線形超音波の章が含まれるようになり,本協会の春秋の講演会,超 音波シンポジウムなどでも毎回非線形超音波の研究発表がなされるようになってきたので,本年はこれに絞った展望を記すこととする。
Review on Magnetic, Electromagnetic, Penetrant and Other Nondestructive Methods
Takahide SAKAMOTO Chairman of Research & Technical Committee on Surface Methods in 2004,
Sumitomo Metal Technology, Inc.
キーワード 渦流探傷,漏洩磁束探傷,磁粉探傷,浸透探傷,漏れ試験,目視試験,電位差法
1. はじめに
表面探傷分科会では,材料の表面きずを検出する手法として,超音波・放射線を除く検査手法を幅広く取り扱っている。本報では2004年度の分科会活動,研究委員会活動の実績と今後の展望について記述する。
Review on Experimental Stress and Strain Analysis
Tsutomu EZUMI Chairman of Research & Technical Committee on Stress and Strain Analysis in 2004
,Shibaura Institute of Technology
キーワード 実験力学,応力測定,ひずみ測定,光弾性法,コースティックス法,バイオメカニクス
1. 概況
2004年度における日本非破壊検査協会の応力・ひずみ測定分科会の活動状況を述べる。
Report of Ad Hoc Research & Technical Committee on Maintenance
Nobuyasu SATO Chairman of Ad Hoc Research & Technical Committee on Maintenance in 2004,
Asahikasei Engineering Corporation
キーワード 非破壊試験,保守検査,モニタリング,損傷評価, 健全性評価,圧力容器,供用期間中検査
1. はじめに
保守検査特別研究委員会は,各種設備や構造物,プラントなどの安全性や信頼性を維持・向上させるために,溶接部や応力集中部,腐食等の劣化危険性の大き い部位,高温設備等の信頼性評価,コンディションモニタリング,及び余寿命診断評価技術に関しそれらの「非破壊検査・計測・評価・診断技術」の研究,調査 を行っている委員会である。
2004年度は,2004年9月にミニシンポジウムを福岡で,2004年12月には赤外線サーモグラフィー特別研究委員会との合同シンポジウムを大阪で,2005年3月に保守検査シンポジウムを東京でそれぞれ開催した。
Report of Ad Hoc Research & Technical Committee on Image Processing
Akira ISHII Chairman of Ad Hoc Research & Technical Committee on Image Processing in 2004,
Kagawa University
キーワード 画像処理,マシンビジョン,感性情報処理,外観検査,非破壊検査
近年,マシンビジョン・画像処理技術の非破壊検査,自動監視等への適用に対する期待が高まりつつあり,本委員会はこれに応えるべく活発な活動を行った。特 に,一般に言われている非破壊検査というイメージにとらわれない幅広い活動を展開した。【資料−1】に本年度の研究会の活動状況を示す。本年度は計4回の 研究会を開催し,その発表件数は134件,また,参加者数は計約600名であり,活発な討論が行われた。
本年度も例年通り,関連学協会と連携しつつ,本委員会の幅広い活動を行った。特に,画像処理の広範な分野への実利用化を意識し,ロボットビジョン,外観検査,動的画像処理等に関連する研究会を開催し,テーマの広がりを実現することができた。
次年度(2005年)の活動の概要を【資料−2】に示す。次年度は,従来の活動を維持しつつさらに発展させる計画である。すなわち,独自の委員会を開催 すると共に研究会の共同企画を積極的に行い,関連学協会との連携を強化する方向で運営を進めていく方針である。また,国際的な活動を推進するために画像処 理・非破壊検査に関連する国際会議との協賛,本委員会を中心とする特別セッションの設定等,新しい企画を実行していきたいと考えている。
Report of Ad Hoc Research & Technical Committee on Acoustic Emission
Masayasu OHTSU Chairman of Ad Hoc Research & Technical Committee on Acoustic Emission in 2004
Graduate School of Science & Technology, Kumamoto University
キーワード AE,診断,非破壊検査
1. はじめに
2004年度の本特別研究委員会では,第17回国際AEシンポジウムを開催することと,教育委員会でのAEテキスト作成や講習会案に関する支援が主な活動となった。その概要を以下で述べる。
Report of Ad Hoc Research & Technical Committee on NDE of New Materials
Masamichi MATSUSHIMA Chairman of Ad Hoc Research & Technical Committee on NDE of New Materials in 2004 ,JAXA
キーワード 新素材,複合材料,非破壊評価,航空機,損傷評価,セラミック,CAI
1. はじめに
2004年度の本特別研究委員会はシンポジウムとミニシンポジウムを開催した。シンポジウムは,宇宙航空研究開発機構調布飛行場分室で2日間の日程で開 催され,懇親会と見学会を行いました。ミニシンポジウムは非破壊検査協会会議室で開催しました。参加者はシンポジウム形式を取った成果で,延べ60名以上 の出席者でした。また,NDIS 2425「黒鉛素材の超音波自動探傷検査法」の規格化を行った。
Report of Ad Hoc Research & Technical Committee on NDT of Reinforcing ConcreteYoshitsugu NOZAKI
Chairman of Ad Hoc Research & Technical Committee on NDT of Reinforcing Concrete in 2004,
Musashi Institute of Technology
キーワード 非破壊試験,コンクリート,鉄筋コンクリート構造物,震災,活動報告
1. はじめに
鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験特別研究委員会(略称RC特研)の会員の皆様には,平素より,当委員会の発展にいろいろとご尽力いただきまして有難 とうございます。平成16年度は,3回の委員会を開催し,その内1回は日本大学生産工学部津田沼キャンパスの建築学科棟RC造の解体工事に先立って実施中 の各種非破壊試験の見学会を行いました。さらに,土木研究所その他の組織との共同研究,WG活動,NDIS制定に向けた活動などのほかに,平成18年度に 実施予定の第2回シンポジウムの準備など,活発な活動の1年でした。本年度は,会員数68名(内幹事19名)でした。
Report of Ad Hoc Research & Technical Committee on Infrared Thermography
Toshimitsu ISHII Chairman of Ad Hoc Research & Technical Committee on Infrared Thermography in 2004,
Japan Atomic Energy Research Institute
キーワード 赤外線サーモグラフィ,非破壊評価,ハンドブック,規格,合同シンポジウム
1. はじめに
赤外線サーモグラフィによる非破壊評価特別研究委員会(以下「特別研究委員会」という)が非破壊検査協会に設立されてから9年目を迎え,2004年度の 登録委員数は42名である。近年,赤外線サーモグラフィは,画像処理の高速化や装置の軽量化に伴い,広範囲の各種非破壊試験や温度計測に対して容易に応用 することが可能となった。しかしながら,赤外線サーモグラフィで得られた結果を技術者が共通の認識及び一定の基準で評価するためには,テキストとなるよう な書物を普及すること,及び装置の機能や試験の方法についての規格化を進めることが急務であった。この様な状況の中,特別研究委員会の本年度の活動として は,赤外線サーモグラフィを用いた非破壊試験法の基礎と応用についてまとめたハンドブックの出版を行った。また,「熱弾性応力測定法」に関する非破壊検査 協会規格(NDIS)の作成に向けた検討を進めた。更に,定期開催の特別研究委員会の他に,保守検査特別研究委員会との合同シンポジウムを開催した。
以下に,2004年度の特別研究委員会に係わる活動の概要について報告する。
Report of Standardization Committee
Hirotsugu INOUE Chairman of Standardization Committee in 2004, Tokyo Institute of Technology
キーワード 非破壊検査,規格,NDIS,JIS,ISO
1. はじめに
標準化委員会は,我が国における非破壊試験の標準化と普及に寄与することを目的として,日本非破壊検査協会の行う標準化事業の全てに関与する委員会である。主な活動内容は以下の通りである。
(1)非破壊試験に関する日本工業規格(JIS)の審議及び承認への積極的な協力
(2)日本非破壊検査協会規格(NDIS)の審議,承認及び維持管理
(3)関連内外規格の調査,収集,及び会員への情報伝達
(4)ISO委員会の活動に対する協力
(5)その他
これらの活動を円滑に行うために,標準化委員会の下部には以下に示すような専門別委員会(括弧内は2004年度の専門別委員会委員長,敬称略)が設置されている。
(1)放射線専門別委員会(宮本 宏)
(2)超音波専門別委員会(守井隆史)
(3)磁粉専門別委員会(前田宣喜)
(4)浸透専門別委員会(鈴木尚美)
(5)渦流・漏洩磁束専門別委員会(磯部伸一)
(6)目視専門別委員会(船亦 功)
(7)漏れ専門別委員会(津村俊二)
(8)赤外線サーモグラフィー専門別委員会(兵藤行志)
(9)応力・ひずみ測定専門別委員会(井上裕嗣)
(10)アコースティック・エミッション専門別委員会
(湯山茂徳)
本稿では,JIS及びNDISの動向を中心に具体的な活動内容を報告する。なお,ISO関連の動向については,別途ISO委員会の活動報告を参照されたい。
Report of ISO Committee
Norikazu OOKA Chairman of ISO Committee in 2004, The Japan Welding Engineering Socity, Senior Technical Advisor
キーワード 非破壊試験,ISO,国際規格
1. 概要
前年度に引き続き,ISO(国際標準化機構)規格案件に関する事項を検討,審議及び投票のための集約,さらにTC 44(溶接),TC 17(鋼)等の国内審議団体と密接な連携のもと情報交換等を行った。ISOに関連した会議では,ISO TC135/SC7に関して2004年8月にカナダのモントリオールにおいて第2回WG7(Performance Based Qualification and Certification)会合が開催された。一方,当協会におけるISO委員会は第1回の本委員会を2004年12月に,これに先立ち第1回の分科会 を2004年9月に開催した。引き続き,第2回分科会は2005年3月に行った。以下にISOに関連する主な会議の概要及び本委員会等における諸活動につ いて述べる。
Report of International Committee
Masumi SAKA
Chairman of International Committee in 2004, Graduate School of Engineering,
Tohoku University Pony Industry Co., Ltd
キーワード 非破壊検査,国際活動,国際会議
1. はじめに
平成16年度は4年に一度開催されている世界非破壊試験会議(WCNDT)の開催年度に当たり,8月にモントリオール(カナダ)で開催された第16回会 議にICNDT代表として高木幹雄氏および会長代行として坂眞澄氏を派遣した。なお,会長代行の派遣は,WCNDT会長のDr. D. J. Marshallからの正式な招待状を受け取ったことによるものである。
また,同会議会期中に開催されたアジア・太平洋非破壊試験会議(APCNDT)の構成国会議に大岡紀一氏を派遣している。
Report of Education Committee
Yoshikazu YOKONO Chairman of Education Committee in 2004, Pony Industry Co.,Ltd.
キーワード 非破壊検査,教育委員会,講習会,認証
1. はじめに
教育委員会は,非破壊検査に関わる技術者の技量向上,研究者への情報提供などを目的として,講習会及び技術セミナー等の企画と実施,教育用書籍の企画, 編集並びに改訂などの活動を行っている。これらの活動は,従来通り表1に示す部門別の専門委員会で細部について具体的検討を行い,これらの意見を教育委員 会で全体的に集約し,互いに調整を図るという形式をとっている。これは,非破壊検査に関連する教育内容は,NDT方法ごとに特異性を有しており,それぞれ の事情に配慮した対策をとる必要があるからである。
2004年度の教育委員会の活動内容として,主に以下の項目が挙げられる。
(1) 新認証制度に対する教育内容の整合化
(2) 講習会や技術セミナーの企画と実施等の教育サービス
(3) NDT教育活動に関する情報発信
(4) その他,NDT教育全般に関連する活動
まず,2003年度から新たに採用されたJIS Z 2305:2001による新認証制度が2年目を迎え,教育部門の立場から,その内容を整合化させさらに軌道に乗せることが最重要課題であった。具体的に は,講習会の内容,教育用書籍,教育用器材などの見直しを,部門別に詳細に検討した上で全体的な調整を教育委員会で継続実施している。また,NDIS 0602(非破壊検査総合管理技術者の認証)の改正に伴う非破壊検査総合管理技術者の認証も2年目を迎え,G専門委員会の企画により品質管理等に関連する 研修会を実施した。さらに,これまで超音波探傷試験のみを対象として定められていた,教育用試験片の貸し出し内規の見直しを行い,教育センターの有効活用 の一環として,他部門の教育用機材も含めた「教育用試験片・機器等貸出規則」を新たに制定した。
2004年度の教育委員会の活動のもう一つの大きな収穫として挙げられるのは,当協会におけるNDT教育活動の実情をより多くの読者に深く理解してもら う機会を得た事である。本誌の編集委員会の協力の元で,2号連続で教育特集号を掲載することができたことは,非破壊検査の分野での教育の置かれる立場を再 認識する上で非常に意義があったものと思われる。以下これらを中心とした2004年度の教育委員会の活動の概要について報告する。
表1 教育委員会内のNDT部門別の専門委員会
NDT分野 |
委員会名称 | 委員長 |
---|---|---|
放射線分野 | R専門委員会 | 服部 康彦(新日本非破壊検査) |
超音波分野 | U専門委員会 | 村山 章(産業雇用安定センター) |
磁気分野 | M専門委員会 | 上村 繁憲(JFEスチール) |
浸透分野 | P専門委員会 | 中野 幹夫(タセト) |
電磁誘導分野 | E専門委員会 | 豊田 修治(非破壊検査) |
ひずみ測定分野 | S専門委員会 | 足立 忠晴(東京工業大学) |
AE分野 | A専門委員会 | 水谷 義弘(東京工業大学) |
総合管理分野 | G専門委員会 | 池田 忠夫(東亜非破壊検査) |
国際関連分野 | 国際教育専門委員会 | 中村 和夫(非破壊検査) |
Report of Certification Steering Committee
Hiroshi KATO Chairman of Certification Steering Committee in 2004, Saitama University
キーワード 非破壊試験,技術者認証,ISO 9712,JIS Z 2305
1. はじめに
2003年度に発足したJIS Z 2305「非破壊試験−技術者の資格及び認証」に基づく技術者の認証制度は2年目に入り,本認証制度の発足した2003年度に大きく減少した受験者数も増加に転じるなど徐々ではあるが回復の基調が見られる。
関連事項として,PD認証制度準備委員会の発足が挙げられる。この委員会は,近年の原子力発電所の設備におけるき裂の発生が問題となっていることを受 け,溶接構造物等に発生したき裂の寸法測定などの能力を総合的に認証するためのPD認証制度の立ち上げについて審議するため,本協会が事務局となって設置 されたものであり,平成16年12月1日に第1回の委員会が開催された。この準備委員会には,経済産業省原子力安全・保安院ほか,原子力発電に関わる関係 機関や団体が委員として参加している。