コンクリートは、セメント、水、細骨材(砂)、粗骨材(砂利)、混和材料(混和材、 混和剤)から構成され、固まったコンクリート構造物は、社会資本の形成を担う主要な 構成要素となっています。戦後から相次いだ建設ブームにより、建築ストックは膨大な 量となっています。持続可能な発展を目指すためには、これらストックをスクラップす ることなく活用していかなければなりません。特に、高度成長期に多量に建設されたコ ンクリート構造物が補修・補強、解体の時期を迎えるにあたり、コンクリート構造物の 迅速で精度の良い調査・診断技術が求められています。 従来の鉄筋コンクリート構造物の非破壊試験特別研究委員会は、平成元年(1988)4 月 の設置以来、コンクリート構造物、とりわけ鉄筋コンクリート構造物を中心に、非破壊 検査のための試験方法に関する情報交換及び調査研究を目的に活動してきました。この 活動を引き継ぎ,本部門では、年間3 回の講演会の開催、外部組織との共同研究、NDIS 規格の原案作成協力、シンポジウムの開催などを行う予定です。
【キーワード】 コンクリート構造物、非破壊試験、非破壊検査、強度推定、強度試験、鉄筋探査、欠陥探査、品質評価
【設立主旨】
塩害や中性化等に起因するRC構造物の構造性能評価に際しては、空間的な鉄筋腐食情報の把握が必要不可欠である。現在までに非破壊あるいは微破壊による鉄筋腐食診断技術は急速に進歩し、RC構造物内部の鉄筋腐食性状を定量的に評価可能とする測定技術が多数提案されている。一方、これら測定技術は、原理や適用可能範囲、残された課題等の体系的な整理が進んでおらず、実務での積極的かつ効果的な展開がなされていない現状にある。
そこで本研究委員会では、各種鉄筋腐食診断技術の技術的ガイドラインの作成を目的とした。 第1期では、ガイドラインの詳細な構成がほぼ纏まり、担当執筆者も決定した。第2期では、第1期に基づいた実際の執筆ならびに校正を行うとともに、第1期で積み残されていた複数の実構造物に対する共通試験を実施し、それらを盛り込みたい。また、各地区での説明会の実施も行う予定である。
【設立主旨】
日本におけるコンクリートの非破壊試験検討の歩みは、1952 年から輸入されたシュミットハンマーによる強度推定からはじまったと思えるが、これにしても強度推定まで規格化できず、やっと2003 年JIS A 1155「コンクリートの反発度の測定方法」が制定されたに過ぎない。コンクリート強度分野の非破壊試験の規格化は他の分野に比べても遅れているといえる。2000 年度以降、今日に至るまで強度に関する非・微破壊試験の開発は活発であるといえ、多くの原理により数多くの強度に関する非・微破壊試験が提案されており、一つ一つの試験方法の理解が重要な段階にある。
本研究委員会では、これまでに開発・提案された試験方法の一つ一つを日本非破壊検査協会の立場で検証し、検証が終わった試験方法に対して、順次NDIS 制定委員会立ち上げを提案するまでを目的としている。
【設立主旨】
「NDIS2426-2:コンクリートの非破壊試験―弾性波法―第2部:衝撃弾性波法」は2009年6月に制定されました。2013年4月には、新しい測定方法(電磁パルス法)を取り込むこと、解説の懸案事項に掲載されている評価方法(新設構造物での圧縮強度試験、ひび割れ深さ測定)を本体(附属書)に取り込むこと、これらを視野に入れた改正原案作成委員会が発足し、1年間の改正作業が実施されてきました。衝撃弾性波法は、最近は「既設構造物での圧縮強度評価」、「アンカーボルトの付着評価」など、多くの新しい試験項目に関する実験結果が報告されていますが、これらの試験技術の向上・普及にはNDISでの規格化が有効であります。しかしながら、1年間の改正作業では規格内容、規格化の妥当性などの検討に限界があります。
そこで、本委員会では、次回の改正作業において、適切な試験項目については規格化を実現させ、かつ現規格の課題の整理ならびに問題点を改善するために、理論的・実験的な側面から議論・検討を行うことを目的としています。
【議事録】
・平成26年度第1回衝撃弾性波法研究委員会【平成26年7月28日(月)】
・平成26年度第2回衝撃弾性波法研究委員会【平成26年10月8日(水)】
・平成26年度第3回衝撃弾性波法研究委員会【平成27年1月7日(水)】
・平成27年度第1回衝撃弾性波法研究委員会【平成27年4月20日(月)】
・平成27年度第2回衝撃弾性波法研究委員会【平成27年9月16日(水)】
・平成27年度第3回衝撃弾性波法研究委員会【平成27年12月22日(火)】
・平成27年度第4回衝撃弾性波法研究委員会【平成28年3月16日(水)】
【構成員】
・平成28・29年度衝撃弾性波研究委員会 構成員