コンクリートの含水率に関する試験方法研究委員会
2009年6月1日更新
【設立主旨】
コンクリート中の水分は、コンクリートの水和・強度発現、RC構造物の劣化、仕上材のふくれ・はがれといった不具合に密接に関わる。コンクリートの硬化はセメントと水の化学反応によるものであり、中性化や塩化物イオンによる不動態被膜消失後の鉄筋の腐食には酸素と水が必要であるし、凍害はコンクリートの水分が凍ることが起因している。またアルカリシリカ反応ではアルカリ反応生成物が水を取り込み膨張する現象である。コンクリートに施す防水層等の仕上材に発生するふくれは水蒸気圧が駆動力になっている。
しかしながら、コンクリートの水分を把握する技術が成熟されておらず、市販されている水分計については、含水率の指標とはなっているもののその絶対値は検証される段階にもなっていないのが現場である。
本研究委員会は、これまでに開発・提案された含水率測定技術を検証し、本研究委員会では、試験方法の一つ一つを日本非破壊検査協会の立場で検証し、検証が終わった試験方法に対して、順次NDIS制定委員会立ち上げを提案することを目的としている。