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機関誌

2007年度バックナンバー連載歴史5月

2007年5月1日更新

機関誌「非破壊検査」 バックナンバー 2007年度

連載 非破壊検査の歴史

我が国における超音波探傷の歴史 [ IX ]

 松山  宏 名誉会員(前湘菱電子(株)・元三菱電機(株))

 

The Histoy of Ultrasonic Testing in Japan [ IX ]
Hiroshi MATSUYAMA Honorary Member

(Formerly Shoryo Electronics Co./Mitsubishi Electric Co.)

キーワード 非破壊検査, 超音波探傷検査,パルス法,反射法,超音波探傷装置,超音波厚さ計



6. 我が国における超音波探傷技術の成熟期 
  その3(1982〜1991年)(続き)−汎用 探傷器,デジタル化へ進む(?)−
 
 1988年,探傷器用の液晶表示器を市場から調達することは,生産台数が少ないため不可能であった。しかし,この頃から,小型テレビ受像機などの用途に 液晶表示器が開発され,探傷器でも探傷図形の表示にCRTの代わりに液晶表示器を用いた本格的装置が開発・市販された。
 また,この頃に機械装置の位置決めには広く数値制御技術(=NC技術)が用いられるようになった。この技術とデジタル探傷器の各探傷条件の直接デジタル 制御機能と探傷信号のデジタル処理機能が結び付いて,超音波探査映像装置が開発された。この装置ではパルス反射法が用いられ,水浸集束探触子がXYZス キャナに装着され,所定のプログラムに従って集束された超音波ビームが水槽内に固定された試験体を走査した。探傷結果は主に平面表示(Cスコープ)で表示 された。
 この装置では,通常の金属材料の超音波探傷試験に適用される程度の周波数(1〜10 MHz)の超音波パルスが用いられていたが,放射線透過試験法では検出が困難な試験体内の微小な剥離やき裂の検出や評価に威力を発揮した。

当初は,試験体として一般的な鋼材を対象としていたが,後に,より高い周波数の超音波パルスを用いた装置がLSIチップの故障解析に広く用いられるようになった。

なお,トキメックもIS-1000S型超音波映像探査装置として同様の装置を開発・販売した。
 通常の超音波厚さ計では,試験体の表面に防錆用のコーティングが施されていると,その厚さまで測定してしまうために,試験体(鋼板)の本来の厚さを測定 するためには,そのコーティングを除去する必要があったが,帝通電子はコーティングの上から試験体本来の厚さを測定できるUDm – 710型超音波厚さ計を開発した。

 

 

 

 

 

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