logo

 >>学術活動カレンダー表示

機関誌

2007年度バックナンバー解説6月

2007年6月1日更新

解説 非線形超音波法による非破壊検査・評価

固体接触面の非線形力学特性と高調波発生挙動

  琵琶 志朗 京都大学大学院エネルギー科学研究科

 

Nonlinear Mechanical Properties and Harmonic Generation Behavior
of Contacting Surfaces
Shiro BIWA Graduate School of Energy Science, Kyoto University

キーワード 非線形超音波,接触面,接触面剛性,反射率,界面波,高調波



1. はじめに
 固体材料において見られる非線形超音波特性として,金属
結晶の非調和性や転位運動の非線形性による高調波発生が知られている。音弾性応力測定の基礎原理である超音波伝搬速度の応力依存性も金属結晶の非調和性に由来している。
 一方,1990年代になると,岩石などの微視的弱結合界面を有する固体材料や,固体接触界面における顕著な音響非線形性に注目が集まり始めた。また,比 較的最近では,閉口き裂や不完全接合面・接着面が非線形超音波計測の適用対象として活発に研究されている。これらに共通するのは,いずれも界面の開閉口振 動に起因して音響非線形性が発現していることで,上に述べた非調和性や転位運動による非線形性に比べて大きいオーダーの高調波を発生する。また,強化材− 母材境界や層間のはく離を有する複合材料や,マイクロクラックを多数含むコンクリートなども,同じ接触/弱結合界面型欠陥の非破壊評価対象の範疇に入ると 考えられる。
 非線形超音波特性に基づいてこれらの接触/弱結合界面型欠陥の検査・評価を行うに際しては,非線形特性が発現するメカニズムを正しく理解する必要があ る。そこで,本稿では,接触/弱結合界面型欠陥における高調波発生の素過程としての固体表面同士の接触開閉口をともなう超音波応答とその非線形効果に関し て,最近の研究による知見を紹介する。

 

 

 

to top

<<2021>>