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機関誌

2007年度バックナンバー解説6月

2007年6月1日更新

解説 非線形超音波法による非破壊検査・評価

転位の運動と高調波

  今中 拓一 旭化成エンジニアリング(株)

 

Dislocation Motion and Higher Harmonics
Takuichi IMANAKA ASAHI KASEI Engineering Corporation

キーワード 転位,内部摩擦,弦モデル,歪振幅依存性,高調波,疲労



1. はじめに − 著者らの初期の実験
 1966年,HikataとElbaum1)が転位の運動による2次及び3次の高調波の発生に関する理論を発表して以来,主にMason2)によって理 論の検証が行われた。時を同じくして著者ら3)も歪振幅依存性の内部摩擦研究において3次の高調波が出現することを見出し,それが転位の増殖と関係するこ とを明らかにした。

複 合水晶振動子を用いた計測システムを用いて,室温で0.42%の歪を与えた低炭素鋼についての内部摩擦の歪振幅依存性及びそのとき同時に計測した3次の高 調波(RMS Harmonics)の歪振幅依存性である。内部摩擦は歪振幅が小さい領域では一定値を示すが歪振幅が大きくなると(〜10−5以上)増大する。内部摩擦 が歪振幅依存性を示し始めると,3次の高調波が出現する。5.7×10−5の歪振幅で20 min間連続加振した場合,内部摩擦及び3次のHarmonicsの歪振幅依存性は変化する。また,Harmonics出力は減衰率に比例する。
 加振後では,内部摩擦は低歪振幅から増加を始めるが3次の高調波の増加は,それ程加振の前後で影響を受けない。この加振時間の影響は転位の周りで固着点 が形成する雰囲気に依存する。長時間の加振によって,加振状態で固着点が振動運動する転位の周りで平衡状態を形成するため,歪振幅依存性の内部摩擦及び3 次の高調波の発生は抑止される。

 

 

 

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